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6.マヤ族の里③(サンティアゴへ) [グアテマラ アンティグア]

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パナハッチェルの桟橋、ここから対岸のサンチャゴ アティトラン村に向う。湖に面して幾つかあるマヤ族の村の中では一番大きいという、画面のほぼ中央、火山と火山に挟まれたあたりにその村はある。


  [船でサンティアゴ村へ]

一夜明けて天気は前日よりさらに好転、
穏やかな観光日和となった。
ホテルの朝食は蒸かした薄いトルティージャ(主食)にフリホーレス(インゲン豆料理)やスクランブルエッグなどが付いたグアテマラ定番のものだったが、食事もそこそこに早めに湖岸の渡船場に向かった。

というのは昨日の情報では8時半にサンティアゴ行きの便があると聞いていたからだ。しかし桟橋には時刻表などはなくどうもはっきりしない。客が集まれば出るといった雰囲気だ。
誰が船の関係者なのかもよく分からなかったが、桟橋の近くでそれと思しきオジさんに「この船はサンティアゴに行くのか?」と聞くと「そうだ、とにかく乗って!」という。その場で30ケツアル(400円ほど)を払い乗り込む。

後で気づいたのだが、桟橋のそばでオジさんが、「サンティアゴ、サンティアゴ行きだよ!」と大声を張り上げていた。朝は余裕がなくてそれが耳に入らなかったのだろう。

船は屋根付き大型のプラスチック製ボートで15人前後は乗れるだろうか。
周りを見渡すと旅行者らしき乗客もいるが地元民もちらほらいて船首には生活物資の積荷も見える。本来は湖岸に住む地元民の足代わりらしく時間帯によっては商用や通勤通学の乗客も利用しているのかも知れない。

そこそこの乗客数に達したのかすぐ出航となった。時計を見るとまだ8時半少し前だ。
桟橋を離れるとすぐにエンジン全開、スピードを上げて一直線に対岸のサンチャゴの村(Santiago Atitlán)へ向かった。真っ青な快晴の下、紺碧の湖面に優美な火山群が映える素晴らしい景色が拡がった。

正面左手前にトリマン火山(Volcán Toliman 3,158m)、その後ろに重なるようにしてアティトラン火山(Volcán Atitlán 3,537m)の頭が見え、右にはサン・ペドロ火山(3,020m)の美しい円錐形が控えまさしく絶景だ。

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ホテルの朝食。主食の蒸かしたトルティージャ(Tortilla)やフリホーレス(Frijoles、煮たインゲン豆をペースト状にしたもの、甘くはない)はグアテマラやメキシコの朝食には絶対に欠かせない。

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出発直前の船内、船尾には何やら生活物資が積まれている。



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出航するとすぐに眼前にカルデラの外輪山が拡がる。正面はサン・ペドロ火山(標高3,020m)



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手前にトリマン火山(3,150m)、その後ろのアティトラン火山(3,537m)が重なって見える。



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船が進むに連れて山の見え方が変わるのは面白い。この辺りでは三つに見えるが手前はトリマン火山の前峰のようだ。




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対岸が近づいてきた。そろそろ到着。




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30分ほどでサンチャゴの船着場に到着。



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船を下りて出発してきたパナハッチェル方面を振り返える。サンチャゴ村は湖の南側、入り江の奥まったところにある。



 [ サンチャゴの市場 ]

およそ20kmの船旅、思っていたほど時間はかからず30分足らずでサンティアゴの桟橋に着いた。
先住民の村というがそこそこの大きさで、街は左右の火山に挟まれるようにして湖岸から奥に拡がっている。

下船して早速散策開始、桟橋近くに集まっているお土産屋街を抜けると緩い上り坂が続いている。
メインストリートのようだが、もっとマヤ族の街らしい家並みを勝手に想像していたのだがそれは多分昔のこと、今は舗装道路とコンクリートや石造りの建物が続いているだけのこと、何の変哲もない。

見所がないかとさらに進むと左折する道に大勢の地元民が集まっているのが見えた。
一見カトリック教会の行事か何かに見えたが、よくよく見ると道路に屋台が並ぶ露天市場のようだ。店は細い道沿いに奥の方まで続いている。
早速行ってみることにした。

そう言えば今日は金曜日、週2回の大きな市がたつ日に当たっているのだろう、かなりの人出だ。店の人は勿論、歩いている客も殆どが地元のマヤの人達ばかりで外国人の旅行者などはちょっと場違いの感じもする。

しばらく進むと左手に学校、さらに奥に教会があり、市は学校の周辺の道路、小広場一帯にびっしりつながっていた。例によって生活雑貨、衣料品の店が多いがここの市では野菜・果物の露天が沢山目に付く。


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船着場からメイン道路を上ってきて振り向くとこんな景色。普通の田舎町の風景だ。



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右手は学校、その前の広場、周辺の道路は露天がいっぱい、手前はアボガドを野積みして売っていた。



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別の野菜・果物店、種類も豊富で食生活は安定しているようだ。



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路上に並べるだけの店も多いが品物は意外にキチンとしている。





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奥まったところに、フランシスコ系と言われるあまり装飾のない白い教会があった。




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近くに寄るとそれなりに大きく、この村の規模からすると立派なものだ。アティトラン湖周辺のマヤの世界ではキリスト教とはるか昔から続く土着宗教が融合してマシモンまたはサン・シモンという像を祀る民間信仰が盛んでサンティアゴ村はその中心地の一つとして有名。



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午前中の市場で目立つのはやはり地元のマヤ系女性たちだ。



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若い主婦(?)らしき女性たちの後姿。縦じまのウイピル(Huipil:女性用ブラウスで頭からかぶる)と落ち着いた色の細い縦じまのコルテ(Corte:腰布、スカート)を着用している。女性がお洒落に気を使っているのはどこも一緒のようだ


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後姿その2、凝った刺繍の幅広の帯(状の織物、ファハ:Faja)を腰や首に巻いたりしている。



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彼ら独特の極彩色の織布が並べられている店先。これらの織布をどう使われているのだろうか、タペストリー? ショール? 首巻? ベルト? 店内には日本人にも合いそうなやや地味なものもあるにはある。
以前は天然染料を使った綿糸の手織りで味わい深かったようだが、今は化学染料によるアクリルやレーヨン糸を機械織りしたものが殆どで安価だが深味という点では劣るようだ。





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店で相手をしてくれた女性。


 
 

  [ 帰途 ]

市(イチ)は本来の商店街とその前の道路やちょっとした広場を占拠するように並ぶ露天の店からなっている。
従ってこれらの店を見て歩く通路はすれ違うのが難しいほど狭い。そんな狭さのせいもあるのだろうがどこも年末のアメ横状態で活気を感じる。
平日の午前中だからか市に来ているのはマヤ族系の女性が殆どで、外国人の観光客などはついぞ見かけない。
とにかく市をのぞけたことで彼等の生活ぶりを身近に感じることができ、ここまで来た甲斐があったというものだ。

前日にチチカステナンゴで見たのと同じ色彩の洪水にここでも圧倒されたが、活気に満ちた市場や店に並ぶ物資の豊富さなどを見ているとそれはそれで存外豊かそうに見える。確かに我々が当然と思っている都会の生活とはかけ離れているところもあるが、彼らの価値観では十分満足できる暮らしが出来ているということなのだろう。

市場を出てから朝来た時と違うルートでブラブラ下り船着場まで戻ってきたがまだ11時前。
そうこうしているとパナハッチェルからのボートが到着した。すぐ折り返し便になるらしく船頭たちが盛んに客を呼び込んでいる。
今度は余裕をもって乗船、ボートが湖の中央に出ると風が結構強く湖面は波立っていたが無事パナハッチェルに戻ることができた。

街中で昼食を済ませた後、予約していた帰りのシャトルバスにピックアップしてもらいアンティグアに向かった。
バスは順調で16時前にはアンティグアのセントロに近い例の旅行社前に到着、こうしてマヤ族の里を巡る今回の一泊二日の旅は無事に終わった。


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市場を出て船着場に戻る途中で出会った欧米人観光客のグループ。



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船着場に戻ってきた。バックはサン・ペドロ火山。



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ちょうどパナハッチェルからのボートが着いて乗客が上陸してくる。右手前は客集めの船頭(?)

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帰りの船中。サンチャゴを出て途中立ち寄った船着場、町から外れて岸辺の一軒家(別荘?)に住む住人をピックアップ(?)するらしい。


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サンティアゴを出てしばらくは右手湖岸いにポツンポツンと別荘風の住居が見える。よくこんな所に住んでいるものだ。



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さらに別荘風の住居が続く。



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湖の中央まで出てくると湖面はやや波立っていた。



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ボートの窓にはガラスはなくしぶきが飛んでくる。



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パナハッチェル近くまできて振り返ると、トリマン火山、アティトラン火山の頂上には少し雲が出ていた。



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戻った船着場そばの湖岸道路、多少の店が並んでいるがのんびりしたもの。


  
(以下、「7.アンティグア生活つれづれ」に続く)


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