5.マヤ族の里②(アティトラン湖) [グアテマラ アンティグア]
アティトラン湖の俯瞰図。左下手前にパナハッチェルの町、対岸にサンチャゴ アティトラン、湖岸沿いには数多くのマヤ族集落がある。
[湖畔の町、パナハッチェルへ]
同乗してきた人たちも駐車場に戻っていてシャトルバスは予定どおり14時半にチチカステナンゴを出発、アティトラン湖畔にあるパナハッチェル(Panajachel)の町に向かった。
当初しばらくは高原状の景色の中を走っていたが右側遠目に湖が見え出すと次第にジグザグの急坂を下り始めた。水面レベルまで下りきってほどなくパナハッチェルのバス停に到着した。所要時間1時間ちょっとか。
この湖は標高1,500mあたりにあり、面積が十和田湖の2倍、水深も320mもあって典型的なカルデラ湖の形状だが、まさしくそのカルデラ内側の急斜面を下ってきたということだ。
チチから標高差500mを下りたことになり何となく体で感じていた感覚とも合う。
チチの駐車場。グアテマラシティあたりから観光客を乗せてきたシャトルバス(大型のバン)が数多く待機中。三々五々乗客が戻ってきているようだ。
カルデラ内側の急斜面を下っていると天気が次第に回復し、サン・ペドロ火山をバックにしたアティトラン湖の眺望が拡がった。
標高差のせいなのか、丁度天気の変わり目だったのか分からないが、パナハッチェルに着いた頃には青空が広がり出し気温も上がってきて劇的に天気は良くなっていた。チチのあの霧雨と冷え込みは一体何だったのだろう、大違いの天気だ。
バスを降り歩いて予約のホテルに向かう。町は人口2万弱、緑も多く落ち着いていて鄙びた避暑地といった風情だ。ただし閑散としていてシーズンオフのリゾートを思わせる。
それにしても "パナハッチェル" という町の名前はこれまた何か独特の響きがある。この辺りはチチカステナンゴとは違うカクチケル族という人達の勢力圏だったそうで、彼らの言葉でサポテという果物の木がある場所という意味とのこと。
日本ではそもそもアティトラン湖自体も、この辺りに点在するマヤ族の村落など殆ど知られていないだろうが、普通の観光(地)では飽き足らなくなっている向きには格好の穴場かも知れない。
旅行社が取ってくれていた宿は中央にパティオがある静かなB/B風のホテルであの値段なら十分納得だ。
暗くなる前に明日訪ねようと思っている湖周辺の村を巡る船便などの情報を入手すべく街に出かけた。
アティトラン湖北岸に面したパナハッチェルの町。ひっそりと落ち着いた町。ホテル・レストランも整っており湖周辺観光の拠点になっている。
泊まったホテルの玄関先。ブーゲンビリアが美しい。
中に入ると緑が美しいパティオに沿って回廊があり部屋が並んでいる。突き当りは食堂。
一泊したホテルの部屋。タイル床にベッド、小ダンス、TVにシャワー・トイレが付いただけだが特に不満はない。
最初に寄ったのはこの町の観光案内所。こんな町でも(失礼!)小ぎれいな事務所を開き、きちんと担当者を置いているのをみるとやはり観光に力を入れているのがよく分かる。
明日は昼過ぎのシャトルバスでアンティグアに戻ることにしているので歩き回る時間は正味午前中しかない。
ガイドブックによれば、キノコのような形をした湖の周辺にはマヤの人達の村々がいくつもあり、それぞれに部族特有の色合い、模様、刺繍が織り込まれた織物、衣料、アクセサリーなどの工芸・民芸品が有名だという。 湖を取り巻くように陸路もあるようだが、岸の村へは陸路よりもパナハッチェルから出ている船(ボート)で行くのが便利で確実らしい。
どこの村に行って何を観るか、観光案内所の情報では湖岸最大の先住民の村、サンティアゴ・アティトラン(Santiago Atitlán・・・以下サンティアゴ) の村がお薦めらしい。
この村はパナハッチェルのちょうど対岸にあり最も遠いのだが、往復便も多く動きやすそうだ。
立ち寄った観光案内所。男性係員がいてキチンと対応してくれた。
[湖畔を散策]
大方の見当が付いたので湖岸沿いの散歩道に出てホテルに戻ることにした。
空は完全に晴れ上がり紺碧の水面、湖岸の緑、遠景に紫色に霞む外輪山、その外輪山も例によって見事な円錐形の火山が並んでいる。
そろそろ落日を迎えようとしている時間帯で、これが ”世界でもっとも美しい” と言っている景色だろうか。
ブラブラ歩いていると湖面を見渡しながら食事ができるオープンレストランがあったのでそこで軽く夕食をすませることにした。
湖で獲れるという魚のフライにサラダが付いたものとパンにビールを頼んでみた。聞いてみると魚はブラックバスだという。初めて食べる魚だったが味は淡白で白身、あまりにも淡白すぎて期待した脂の旨みは感じられなかった。
食事が終わるころ、いよいよ落日になった。
パナハッチェルから見て、対岸のサンティアゴの右手にあるサン・ペドロ火山(3,020m)のさらに右側に夕日は没していった。
しばらくの間うっとりと見とれてしまったが、これが ”世界で最も美しい湖” の由縁になっている景色の一つに違いない。
対岸に見えるはずのトリマン火山(Volcán Toliman 3,158m)、アティトラン火山(Volcán Atitlán 3,537m)
が残念ながら雲に隠れたアティトラン湖。
長閑な湖岸は一幅の絵のような景色でほっとさせてくれる。
湖岸の散策路沿いにあったオープンレストラン。
頼んだサラダ添えのブラックバスのフライ。
落日間近のアティトラン湖。翌日乗ったボートは手前右の屋根付きボートと同型。
夕日はサン・ペドロ火山の右手に没していった。
落日の瞬間。
(以下「6.マヤ族の里③(サンティアゴ)」に続く)
写真がとても綺麗!
■内容■
わくわくするものを、おしころして淡々と書いている印象で、おじさんぽいな、と思います。
つぶやきみたいなのや、知識などがちょこちょこ入るのが、単なる旅行記と一線を画す、面白い部分、独創性だと思います。
■見た目■
この日のブログは途中から(意図せずでしょうが)文字のサイズが大きくなっているようです。でも、実は少なくともスマホでは、大きい方が見やすいです。
また、点(、)を、もう少し打つと、読みやすいかもです。
by ななせ (2016-04-25 20:17)