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10.ビルバオ ① (ビルバオ市街) [15/9北スペイン]


 [バスクの町、ビルバオ]

サン・セバスチャン出発が14:10、ビルバオには15:30に着いた。中心街から少し外れているバスターミナルでバスを降りると眼前に緑の丘陵とそれをバックにした高層マンション(?)という組み合わせが目に入った。ちょっと意外な景色だった
が、この町の洗練されたものを感じたのも事実

ビルバオ(Bilbao)の名前は日本ではあまり馴染がないかも知れないが、スペイン北東部、バスク地方の中心都市である。人口は36万(都市圏では100万弱)だから日本の常識で考えればそんな大きな町ではない。

街は緑の谷間を蛇行しながら流れるネルビオン川(Rio Nervión)の流域に拡がっている。全体にコンパクトで概ね右岸の旧市街と左岸の新市街に分かれている。古さと新しさの中にも落ち着きを感じさせる雰囲気は、一見北部ヨーロッパの町を思わせるが、こんなスペインもあることを知るのは旅の楽しいところだ。

繁華街がある新市街は19世紀後半の都市改造計画による緩やかな格子状の街路を基本に主な都市施設が配置され、公園やグリーンベルトなどの緑も多く、石造りの街並みに高層ビルがちらほらする景観はとても人口36
万のそれではない。

その上、この町の規模から考えると過剰ではないかと思えるほど公共交通機関が充実している。元々発達していた鉄道網(私鉄・国鉄)のほかに、バスは当然としても、地下鉄、さらにトラムまで走っているのだから贅沢だ。果たして経営は成り立っているのかと余計な心配をしてしまう。

ビルバオは秋から冬にかけて曇天や雨の日が多いという。今回は夏の終わりで好天が続き、最も良い時期に巡り合えて美しい街並みを堪能することができた。


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到着したビルバオのバスターミナル。バックは緑の丘陵地に開発された住宅マンションだろうか?
ここには地下鉄やトラムが乗り入れていて、10分そこそこで中心街に行ける。



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グッゲンハイム美術館(別途後述)近くの公園からは樹木の向こうにイベルドローラ タワー(Torre Iberdrola、
2012年完成、40階建)が見える。このビルにはスペインの大手電力会社イベルドローラの本社ほかが入居している。この辺り一帯は工業地区だったところで昔はネルビオン川沿いに造船所もあったというのだが、90年代後半以降再開発が進みすっかり様変わりしてしまったという。



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この公園内をトラムが通っている。中央の木陰の向こうに車両が見える。



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中心街のアバンド(Abando)駅に入ってきたトラム。この後路線は右に曲がり坂を下ってネルビオン川沿いを進む。




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トラム車両は真ん中の連結部を挟んで2両編成で運行。





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ビルバオ市内のトラム、地下鉄、鉄道の路線図。





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地下鉄路線図。路線は2本あるが郊外への乗り入れが違うだけのようだ。宿はカスコビエホ(Casco Viejo)の近く、一つ西隣りが中心街のアバンド(Abando)、さらに西へ三つ行くとバスターミナルがあるサン マメス(San Mamés)
の駅だ。





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グランビア大通りの中間辺りにあるモユア広場(Plaza Moyúa)。花壇が美しい公園風の楕円形広場で周囲は銀行、ホテルなどの建物に囲まれていて札幌の大通公園を思わせる。この広場から放射状に8本の道路が出ている。(Taxiの車内から)



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バスターミナルのあるサン マメスにはスペインリーグの名門チーム、「アトレティコ ビルバオ」の本拠地サン マメス スタジアムがある。収容人数約4万人。画面左にネルビオン川、画面中央が中心街。(Wikipediaから)




  [ビルバオの宿]

話は戻ってバスターミナル。宿は地下鉄でも行けそうだったが、荷物もありタクシーで向かう。
ビルバオの宿はネルビオン川沿いで旧市街(カスコ ビエホ:Casco Viejo)に入ってすぐのアパートメントホテルをネット予約していた。

バルセロナやサン・セバスチャンで泊まったのと同じマンション一軒借り切りタイプで日本でもいま議論になっている"民泊"の一形態だが、スペインではごく当たり前の方式としてすでに定着している。

今回の旅ではビルバオを拠点にしてサンタンデール(Santander)やワイン産地、リオハのログローニョ(Logroño)などを日帰りで周ることを考えていたので4泊確保していた。(結果的に全ては思うようにいかなかったが……)

アパートの住所が分かりにくかったが、運転手にあらかじめ伝えてあった番地の前に車が停まるとそこに首尾よく管理担当だろう若い女性が待っていた。事前にメールで連絡を取っていたとおりだ。

女性の案内で通りに面した重い扉を開けて中に入るとホールがあり、突きあたりのエレベーターで4階(だったと思う)まで上がる。通されたマンションは2LDK(広さ:60㎡)で、型通りに設備やその使い方の説明があり鍵を渡されてチェックインは終了。この宿の場合は、予約直後に宿泊代が引き落とされていたせいかバルセロナの時のように契約書は作らなかった。



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正面の鉄格子の狭いドアが泊まった宿の入り口。中は奥に広い。向かって左隣りはバルで一度朝食に入った。





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突きあたりがフル装備のキッチン。





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手前のリビングからダイニング、奥のキッチンへと一連でつながっている。




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リビングの一角。右のドアから寝室2へ。






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シングルベッドが2つ入った寝室2。メインの寝室は別にある。





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リビングとソファ。




  [ビルバオの街へ]

一休みして夕暮れ直前の街に出た。宿のすぐ前にあるネルビオン川にかかる幅広の石橋を渡るともう新市街の中心だ。まず寄ったのはシルクラール広場(Plaza Circular)に面した観光案内所。ビルバオから日帰りでワインで名高いリオハ地方のワイナリーをどこか訪ねてみたいと思っていたのでその情報入手のためだ。

件の広場はむしろロータリーだったが観光案内所はすぐに見つかった。入口は狭いが中は意外に広く、正面がカウンターになっている。先客のグループに担当者がアテンドしていたが、幸い別の男性がすぐ応対してくれた。

こちらの希望を言うと地図や資料を拡げて親切に説明してくれたが細部の聞き取りはやっぱり難しい。でも平日には手ごろな日帰りバスツアーはないこと、行くならログローニョ(Logroño)ではなく手前のラグアルディア(Laguardia)という町がいいのではないかと教えてくれた。そしてバスの本数は少ないとも言っていた。いずれにしても2日後に行くことにして案内所を出た。

この広場はメトロのアバンド(Abando)駅のそば、地下はメトロ、地上には「グラン ビア」(Gran Vía)という大通りが走っている。この町のメインストリートだ。
正式な名前は「Gran Vía de Don Diego López de Haro」、12世紀に現れたこの町の創始者の名を取っている。

現在、グランビアを挟んだ周辺エリアはバスク地方の金融、商業センターとしての位置づけで、1.5km続く大通りの歩道沿いには銀行・オフィスのビルやホテルをはじめ、デパート、高級ブティックなどが軒を並べている。

アバンドの周辺をぶらついていたらグランビアに平行した一本裏通りにバルが並んでいる通りを見つけた。
夕方も7
時頃はまだ大した込み様ではなかったが、8時を回ると俄然人の流れで溢れてきた。道路は歩行者専用だからどのバルも道路にテーブルを出している。

大体外のテーブルから埋まり出し、ピーク時には中も空席を見つけるのが難しくなる。今日の昼はコンチャ海岸のレストランでがっちり食べていたので、一軒のバルで取ったワインとタパスの軽い夕食で十分だった。

スペインの「バル文化」は、ここビルバオでも当然ながら健在だった。
明日は郊外にある世界遺産のビスカヤ橋など、もう少し市内を歩く予定だ。





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i のマークが付いた「TURISMO」の表示が観光案内所の入り口、21時まで開いている。






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案内所の前の広場からグランビア大通りが始まる。この辺りは緩い上り坂で並木通りが美しい。



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案内所の前のシルクラール広場の辺り。右に延びる道路はグランビア。奥のビルは国内第二の大手銀行、BBVA(ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行)タワー。




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グランビア大通りの夕方7時頃、広い歩道は市民、観光客が溢れている。





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スペインの有名デパート、エル コルテ イングレス(El Corte Inglés)の店内。グランビアの通りを挟んで2店出ている。




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グランビア北側の市場そば、西日があたるエンサンチェ広場(Plaza Ensanche)。




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グランビア通りと平行した一本裏の通り(Ledesma M.通り)はバル街。車を通していないので道路に日除けも出してテーブルが並べられている。暗くなる頃にはバルをハシゴする人たちで溢れ返るはずだ。


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「El Puertino」というバルの壁にOSTRAS(生牡蠣)の張り出しがある。この日は入らず、後日試してみたのだが…



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この日入ったバルの内部。カウンターと後ろにはテーブル席もある。地元のおじさんたちが一杯ひっかけに寄った感じ。




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何かの肉のバーガーサンド、オープンサンドにワインを頼んでいるようだが詳細失念。




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奥では老夫婦がのんびり食事をしていた。


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