リスボン⑥(シントラ・ペーナ宮殿)
■ まずシントラへ
昨夜もまだ2~3時間おきに目が覚める。だがトータルするとかなり寝れたので体調は悪くない。リスボンの2日目は天気が良ければ、市内を出て近郊への日帰りの小旅行を考えていた。
まず、世界遺産がある「シントラ」(Sintra)に行き、その足でユーラシア大陸最西端の「ロカ岬」(Cabo do Roca)に寄り、リゾート地の「カスカイス」(Cascais)を覗いてリスボンに戻るという周遊コースだ。(下の地図を参照)
リスボンーシントラは電車、シントラーロカ岬ーカスカイスはバス、カスカイスからは電車で戻る。
案内書によるとどこも風光明媚なところとして紹介されている。どうせなら真っ青な空の日に訪れたいと思っていたがまさしく今日はその天気になったようだ。
9時前にホテルを出て地下鉄でポルトガル国鉄(PC)のロシオ駅に向かう。
このあたりは昨日何度もうろついていたのですっかりお馴染みになった。朝の通勤時間帯もピークは済んでいるしこれから行く方向も郊外に向かうので駅も列車もガラガラ。
シントラ行きはこの時間帯はまだ10分おきにあるが朝夕のラッシュを外れると20分おきになるようだ。
ホームに出るとまもなく電車が入ってきた。始発駅なのでこの電車が折り返し9時21分発のシントラ行きになるらしい。反対ホームに別の電車が到着した後列車は動き出した。
シントラまでは28km、約40分の旅、発車して数分もしないうちに緑の中に新興のマンション群が両側に延々と続く。いずこも同じ近郊の住宅開発の結果だろうが東京あたりの郊外よりはまだまだ自然がたっぷり残っている。シントラまで大した距離でもないのに14駅もあるところをみると、今は朝夕の通勤路線としての役割が主力になっているのだろう。
ロシオ駅の乗車券自動販売機。リスボンカードを持っているので切符を買う必要はない。
ホーム入口の案内板。
乗り込んだ列車。
反対車線に電車が入ってきた。
電車の車内は通勤電車らしくないゆったりさ。申し訳ないほどにガラガラ。
車窓から見るリスボン郊外の沿線風景①。緑の中のマンション群に住む中産階層の生活ぶりは如何か・・・。
車窓から見るリスボン郊外の沿線風景②
■ シントラの三大見もの
シントラには10時すぎに着いた。駅の案内所でシントラの地図を手に入れるようにと旅のブログでは薦めていたが、生憎案内所が工事中、結局地図はもらえずじまい。
シントラはそもそもポルトガル王室の夏の避暑地として知られてきたところで、「シントラの文化的景観」として世界遺産に登録されている「シントラ王宮」、「ペーナ宮殿」そして「ムーアの城跡」などが緑豊かな山ふところに点在している。
シントラの代表的な見ものはこの三つだが、すべて丁寧に観ていたら一日では到底無理だろう。
夕方にはリスボン市内に戻りたいと思っていたので、そのためには午後早めに「ロカ岬」に向かう必要がある。
この際「ムーアの城跡」は割愛し、残りの二つを手際よく回ることにした。そうすれば昼すぎにはシントラの駅まで戻れるはず。
駅を出て右に少し行くとバス停があり、ここから「シントラ王宮」、「ペーナ宮殿」へのバスも出るし、「ロカ岬」方面にも行ける。
しばらくすると434番の循環バスがきた。これに乗ってまず一番高所にある「ペーナ宮殿」に向かう。
後で判るのだが「ペーナ宮殿」は標高500mもある結構険しいところに築城されていて循環バスを降りてからさらに別のバスに乗り換えクネクネした山道を登ってようやく宮殿の下に辿りついた。
駅の一角で工事中・・・、ここに観光案内所があったらしい。
駅を右に出たところにあるバス停。434番のバスは循環バスでペーナ宮殿を通る。
■ 「ペーナ宮殿」
「ペーナ宮殿」(Palacio Nacional da Pena)は、1850年にリスボン大地震の後廃墟になっていた修道院を再建する形で築城された。後に国王になるフェルディナンド2世がドイツ出身だった関係でドイツ人建築家を呼び寄せて建設させたという。
このためドイツの観光スポットとして有名なノイシュヴァンシュタイン城に似ているとも言われる。一方でイスラム、ゴシック、ルネッサンス、マヌエルなど各様式が混在していて一風変わった印象を与えると同時にメルヘンの世界に引き込むところもある。
この宮殿、山の頂部にあるため空中からでも撮らなければ全体像を収めることが難しい。しかし逆に高所にあるだけあって宮殿からの眺望は聞きしに勝る素晴らしさだ。
「天気に恵まれ、運よく霧が晴れていれば、リスボン市街は勿論、平原の彼方にテージョ河と真っ青な大西洋を望む一大パノラマが展開される・・・」と案内書にあったが、今日はまさしくその条件が満たされた日になった。
エントランス広場から見上げるとこんな景色。空が碧い。
同じく別角度にはこんなメルヘンチックな景色が。
緑の平原の先は大西洋か。
アラブ風のアーチと紋様がイスラムの雰囲気を醸し出す。
こうして見ると、ディズニーの白雪姫のお城を想い起こさせる。
手前のオジさんの頭の向こうの壁にトリトン(ギリシャ神話に出てくる半身半漁の海神)の像が彫られている。建物入口の守り神らしい。
ウロウロしていたらアーチ状の立柱が美しいテラスに出た。天気が良いから最高。
そのアーチを通して見る標高500mからの景観。
これがリスボンの町の方向らしい、その先はテージョ河か、大西洋か。
別の一角。
「ペーナ宮殿」の出口(入口)。
あるHPで見つけたペーナ宮殿の空中写真。
同じく全体をカバーした写真。
小一時間の駆け足で回っただけだが、時刻は11時半近い。丁寧に見ていたらゆうに半日はかかるだろう。
再びバスを乗り継いで麓にある「王宮」に向かって下る。
(以下、「リスボン⑦」に続く)、
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