リスボン④(無事キップをゲット)
■ スペイン行き切符の購入
目的の「ジャルジン・ズロジコ」駅は7つ目、15分ほどで着いた。案内板を頼りに地上にあるセッチ・リオス・バスターミナルに向かう。時間帯のせいか、それとも今朝ストがあったせいか、意外と閑散としている。
一般にこちらの長距離バス(スペインでも同じ)は最もポピュラーな庶民の足で、きめ細かくネットワークが張られていて電車より本数が多く値段も安い。また、最近の高速鉄道(スペインのAVEなど)なら別だが、電車に比べて遅いということもない。
バスターミナルの切符売場は会社ごとに事務所・カウンターを構えているらしく、行きたい方面に応じて会社を選ぶ必要がある。今回は事前の下調べでポルトガル南部中心に路線を持っているEVA社のファーロ発セビージャ行きの便を決めていたので案内所でその場所を教えてもらい事務所に向かう。
その小さなオフィスには女性が2~3人いてそのうちの一人がカウンターで応対してくれた。
「11日(4日後)午後のファーロ発セビージャ行きがほしいのだけどここで買えるの?・・・」 と訊くと、問題なくすぐに切符を作ってくれた。まずは一安心。
やっぱり今朝寄った観光案内所の情報は違っていたようだ。
らしくない閑散としたバスターミナルの構内。この左奥に案内所がありEVA社の事務所があった。
作ってくれたバス切符。ポルトガル南端にあるファーロ(Faro)からスペインのセビージャ(Sevilla)行き、15時35分発、発行場所はリスボン。値段は右下に手書きで16.00€ とある。
■ オリエンテ駅
さて次はリスボンからファーロへ行く切符だ。
バスで行くか、電車で行くか、どちらでも選択は有り得た。気楽なバスの旅も捨て難かったが、多分ポルトガル国鉄(CP)に乗るチャンスなんてそうないだろうと思い電車を選択した。
長距離列車の始発駅は市内に幾つかあるが、ポルトガル南部方面は市内北東部にある「オリエンテ」(Oriente)駅から出る。まだ4日先だが事前にチケットを入手しておくためこの足で行ってみることにする。
「オリエンテ」駅は地下鉄レッドラインの終点で、バスターミナルのある「ジャルジン・ズロジコ」駅から二つ戻った「サン セバスチャン」(Sao Sebastiao)駅でレッドラインに乗換えれば30分弱で行ける。
赤い路線がレッドライン。サン セバスチャンから右上のオリエンテに行く。
地下鉄レッドラインの車内。
オリエンテ駅付近。駅に着く手前で地下鉄は地上に出た。
「オリエンテ」駅は中心部から7~8km北東のテージョ川沿いにある。
このあたりは1998年に開催された「リスボン万博」の会場として整備されたところ。今は国際公園と称して市民の憩いの場になっているほか、新市街地としてリスボンの新しい顔に発展しているようだ。
少し北側にはテージョ川を跨いで全長18kmの「ヴァスコ・ダ・ガマ」橋がある。
さて、リスボンーファーロ間の電車は特急(AP:Alfa pendular)と急行(IC:Intercidades 都市間急行)があり、特急なら3時間、急行で3時間50分だ。なお、値段は前者が29.5ユーロ、後者は19.0。
一方、バスはICとほぼ同じ値段なのにそれより早い3時間15分で着く。
さっきバスターミナルで買ったファーロ発の切符は15時35分発なのでリスボンは比較的ゆっくりでよい。結局10時20分のICを選択、これでもファーロには14時10分に着く。
「オリエンテ」駅の電車ホームは高架になっていてその下にあるコンコースに切符売場はあった。
切符はガラス越しの丸窓を通して内部にいる女性駅員と話さなければならず声が通らず少し往生したが何とか目的の切符は手にすることができた。
これでリスボンからスペインのセビージャまでの切符が用意できたことになる。その先はセビージャで乗車当日買えばいいだろう。
今日の必須用件はこれにて終了だが、折角ここまで来たのでオリエンテの新市街を覗いていくことにする。
時計を見ると13時を回ったところ。適当な店があったら昼飯をと思ってショッピングセンターを歩いてみたが、日本のショッピングモールでも見るような今風の店ばかりだ。それにしても平日なのに結構の人出、とても今朝財政破綻のニュースが流れていた国とは思えない。
切符の窓口があったコンコース
ポルトガル国鉄のリスボン(オリエンテ駅)→ファーロの切符。片道券で4月11日、10時20分発、IC(インターシティ)2等、車両番号21、座席番号72、値段19.00€ とある。
モダンなオリエンテ駅周辺。
広大な万博の跡地。遠くにゴンドラが動いている。公園のほか水族館、大型ショッピングセンターなどがある。
ショッピングセンターの内部、吹き抜けになった三層構造、なかなかシャレている。平日の昼間なのにかなりの人出、どうして???
道道路を挟んでオリエンテ駅方向を望む。
オリエンテ駅周辺の新市街。
■ 観光客相手のレストラン
結局、入りたいレストランは見つけられず地下鉄で中心部に戻ることにする。途中でグリーンラインに乗り換え降りたのは「ロシオ」(Rossio)駅。
地上に出ると賑やかな「フィゲイラ広場」だった。まさしくリスボンの中心部で斜向かいは「ロシオ広場」に繋がっている。
時刻は14時を回っている、さてどこで食べようかと周りを見渡すと道路にはみ出してテーブルを並べたレストランが軒を連ねていてどの店も客引きが熱心で煩わしい。
この辺りは観光客が必ず立ち寄るスポット、まあたまに誘いに乗ってみるのもいいかと思い、いかにも観光客相手の店だったが、コレイロス通りの一軒に入った。
地下鉄「ロシオ」駅の階段を登った外は「フィゲイラ広場」。正面の丘のうえに「サン ジョルジュ城」がある。リスボンを発つ前日に訪れたがここからの景観は素晴らしい。
「フィゲイラ広場」の一角には「ジョアン一世騎馬像」がある。建立は1971年と意外と最近。昔ここは王立病院があったところで1755年の大震災で被災、その後は大きな市場があった時代を経て1949年以降今の広場になったという。
「フィゲイラ広場」から始まる「コレイロス通り」には沢山のレストランがあった。
ここで注文したのはポルトガル名物の干しダラ(バカリャウ Bacalhau)料理とイワシ(Sardinha)の塩焼き、両方ともごく庶民的料理だがイワシの塩焼きはこの手の店でないと食べられないようだ。
ヨ-ロッパのイワシの味は?・・・と興味津々だったが、やや大ぶりのイワシは日本で食べる味と差があるはずもなく拍子抜けだった、当たり前といえば当たり前か。リモン(ライム)で食べるのも悪くはないが、やっぱり醤油と大根おろしで食べたくなったのは率直な感想。ホテルへ戻れば醤油もあったのに・・・
別の一皿は、戻した干しダラとタマネギを炒めたものにフライドポテトを合わせ卵でとじたもので一見スペインオムレツ風でもある。ありきたりの味だが安心できる一品ではある。
これらを肴に生ビールを飲み、サラダにパンそしてコーヒーをもらって昼食にしたが、所詮観光客相手の店という域は出なかった。
干しダラのオムレツとイワシ塩焼きを取り分けたところ。
イワシの塩焼きはトマト、ゆでジャガなどの付け合せとともに出てきた。
店の奥にはカウンターがあり、バル風になっている。
(以下「リスボン⑤」に続く)
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