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15.ネルハの海は・・・

[心変わり]
トレモリーノスを出てマラガの駅に着くまでは、そろそろ
帰国も近づいたので街で何かみやげを探してみようかと思っていた。それと先日は結局そばまで行ったのにキッチリ観ていないヒブラルファロ城址のあたりとか、ピカソ美術館などをゆっくり周りたいとも思っていた。しかし、この日は前日の冷たい雨も上がって雲は多めながらも空気が澄んでいて視界が良さそうだ・・・、ウーンそれならまだ行っていないネルハ(Nerja)に行っておこうかと心変わりしてしまった。ネルハはコスタ デル ソルでも特に海沿いの景色が美しいと言われる所。きっとこんな日は海を眺めるにはピッタリだろうと思ったからだ。

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コスタ デル ソルの町々。マラガを中心に東西にリゾートの町が並んでいる。右端(東端)がネルハ(Nerja)。


[いざネルハへ]
ネルハはマラガの東60kmちょっとにある人口1.5万の地中海沿いの町だ。そもそもコスタ デル ソルはマラガを中心にして東西約300kmの地中海沿い一帯をいい、先に触れたようにそのリゾート開発はマラガの西側のトレモリーノスから始まり、その後フエンヒローラ、マルベージャ、エステポナとどんどん西(ポルトガル方向)に進んでいったが、近年はマラガの東隣りのリンコン デ ラ ビクトリア(Rincón de la Victoria)、
ベレスマラガ(Vélez-Málaga)、トレ デル マル(Torre del Mar)、トロス(Torrox)、ネルハ(Nerja)などでの開発も負けてはいない。残念ながら東方向へは電車はないのでバスでの移動になるが立派な高速道がやはり地中海沿いのアルメリア(Almería、マラガの東220km)方面に延びているので車の便はそんなに悪くない。

ということでネルハへはマラガからのバスになる。RENFE(スペイン国鉄)マラガ駅で降りてそばのバスターミナルに行ってみた。しかし路線図をみてもよく分からず案内所で尋ねると時刻表をくれたうえでチケット売場を教えてくれた。行き先に応じてバス会社が決まっているらしくその会社の窓口でキップを求める仕組みのようだ。ネルハ方面は「ALSINA GRAELLS SUR」という会社で次のバスは11時45分発、乗り場は38番であることを確認し、まだ若干時間があるので乗り場近くのbarで時間をつぶす。

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バスターミナルのbarで。バスの運転手らしきおじさんたちがコーヒーを飲んでいた。ところでbarではカウンターやテーブルのゴミは床に落とすのが当たり前と聞いたことがあるがその現場(?)を目撃できた。

出発10分前になって38番乗り場に行ってみると地元の人達と見える年配客が三々五々待っていたがバスはまだ来ていない。しかし程なく行き先が「NERJA-CUEVA」(このバスはネルハ
のちょっと先にある鍾乳洞の洞窟(Cueva)が終点らしい。)となっているバスが入ってきてひと通り乗客を乗せるとすぐ出発した。

路線バスだから途中で地元の人達や滞在中の観光客などが乗り降りしていたが結局そんなに
混むこともなくのんびりしたバスの旅になった。
バスのルートは町に立ち寄る時以外は山側を切り開いた新しい高速道路ではなく、大昔からあっただろう海沿いの旧道を走ってくれるので景色の変化も楽しめる。
マラガから東に向かうと西側とは違って、山がちな地形が複雑な海岸線を作り出していてそれが美しい景観の要因になっているようだ。

天気もそこそこ、海側の座席を確保して沿線の街並みと岩場が多いターコイズブルーの地中海が織りなす絵画のような風景を堪能しつつネルハに向かう。

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38番乗り場で待っていると、発車5分ほど前にバスがやってきた。席は半分も埋まらず適度の混み具合。


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海岸沿いを走るバスから振り返るとマラガの町がだんだん小さくなっていく。


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約1時間でトレ デル マル(Torre del Mar)に到着。リゾートマンション風の建物が目に付くが、新興の街のせいかまだ落ち着いた佇まいにはなっていない。


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トレ デル マルで見かけた露店市。


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トレ デル マルの街を抜けるとバスはまた海沿いの旧国道に戻った。


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トロスのとあるバス停。この町も急激に開発が進んでいるようだ。


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トロスを過ぎると目的のネルハはすぐだ。先に小さく見える町がネルハか?海の色が何ともきれい。


[ネルハ到着、海岸に向かう]
およそ1時間半ちょっとでネルハのバスターミナル(といってもバス停を大きくした程度)に到着。マラガの東にあたるこの地域は標高2千mを越える峰が連なり海岸に迫っているので
平地はあまりなく、ネルハの街も海に向かって緩く傾斜した海岸段丘の斜面に拡がっている。

バスターミナル周辺は特に何もなく、海岸方向に通じるメインストリートの一つ、Pintada通りをダラダラと歩いて下る。

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下車したネルハの停留所。これがマラガから乗ってきた路線バスだが1時間半はたっぷりかかった。バスターミナルは建物がなく、まだ体裁をなしていないが、ここからいろいろな町にバスが出ていてグラナダにも2時間弱で行けるようだ。


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バス停からすぐのところにあった小さな公園。のんびりした空気が心地よい。


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海岸に向かってPintada通りをブラブラ進むとだんだん賑やかになってくる。


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女の子の攻勢に男の子は隅まで後ずさり(?)。Pintada通りで。


[ヨーロッパのバルコニー]
海岸に近づくに従い賑やかな街並みになり、最後に岩場の突端部に拡がるテラス状の広場に出た。これが有名な「ヨーロッパのバルコニー」(Balcón de Europa)と呼ばれる海に突き出た半円形の展望台で先端部からは地中海の眺望をほしいままに楽しむことができる。

元々イスラム時代の城を土台にして16世紀になってから見張り塔を兼ねた城塞が設けられていたが、19世紀初頭イギリス軍の攻撃によって破壊されたその跡を利用して作られたのがこの展望台だそうだ。水面からは20mほどの高さがあるだろうか、バルコニー先端部から前面・左右に拡がる地中海の景色はその名に相応しいものだった。

この後ポツポツにわか雨になったが、まだだった昼食のためにレストランにいる間が格好の雨宿りになった。わずか2~3時間のネルハ滞在だったがこの機会に訪れたのはやはり正解だったろう。

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「ヨーロッパのバルコニー」と呼ばれる海に突き出た眺望絶好ポイント。(この広場の下はレストランになっている。)


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”バルコニー”からの眺望 ①。 いくら見ていても飽きない美しさ。


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”バルコニー”からの眺望 ②。 すぐ隣に地中海を見下ろすホテル (Balcón de Europa Hotel)がある。


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バルコニー”からの眺望 ③。 東の方向(アルメニア方面)はこんな風景。海岸は磯が中心。生憎と後背の山から黒い雲が出てきた。


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”バルコニー”からの眺望 ④。 下を覗くとこんな砂浜(カラホンダ ビーチ:Playa de Calahonda)になっていた。



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”バルコニー”からの眺望 ⑤。 バルコニーの片隅にアーチ型の回廊(?)、工事中の一角から海を見る。


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バルコニー”からの眺望 ⑥。 海を背にするとこんな風景。


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「ヨーロッパのバルコニー」のほど近くにあるサルバドール教会(Iglesia de El Salvador)。


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見事な恰幅の老夫婦。


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少し街を散策するとキリスト教のお祭りなのか、飾りつけが至る所に。


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この町も”白い町”の維持には相当こだわっているようだ。きれいな街並みが続く。


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バスターミナルに戻るとフリヒリアナ(Frigiliana)行きのバスが停まっていた。
フリヒリアナはここネルハからバスで20分、山の斜面にひっそりと拡がるモリスコ(隠れイスラム教徒)の村と言われている。今でもイスラムのアイデンティティが色濃く感じられるという。
一方、かって「スペインで最も美しい村」に選らばれたこともあるそうで、これまで見てきた観光地化が進んだミハスあたりに比べるとまだ素朴さが残っていると解説書にはある。
既に時刻は4時を回っているのでこれから行っても帰りが心配だ。残念ながら次の機会に回さざるを得ない。


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帰りの路線バスは片側3車線の高速道を通ってマラガに戻る。



 

 

 


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