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13.マラガの町をブラブラ (1)

[マラガの昔と今]
旅も後半になって現地の事情にもそこそこ慣れ、天気が比較的安定してきた頃、マラガ(Málaga)の町に出てみた。この町はスペイン南部の中心都市で人口は約60万人、かなりの都会だ。元来古い歴史をもつ港町で同じ地中海沿岸の港町カディス(Cádiz:マラガの西200km弱)とともにフェニキア時代の紀元前800年頃に建設されたという。その後、ギリシャ(100年間弱)、カルタゴ(500年間)、ローマ(600年間)、西ゴート(300年間強)、アラブ(700年間強)と、地中海沿岸部で興亡を繰り返した勢力がこの町を支配していった。さらに12世紀頃から始まったキリスト教徒による再征服運動(レコンキスタ)がイベリア半島北部から次第に南進し、この町がイスラム支配から開放されるのは1492年にグラナダが陥落する5年前のことだった。
現在のマラガの町にはこんな歴史を物語る史跡や建造物が所々に点在している。

海上交通の要衝だったマラガは現在もスペイン有数の港湾都市で、空港も国内3位の規模をさらに拡張すべく整備が進んでいるが、ここ40年ほどで急発展したコスタ・デル・ソル一帯の観光産業以外にこれといった産業集積があるようには見えない。もっとも電車の窓から眺めた限りの情報から判断してのことだが。
実際、この町にふさわしい評価は、海・空・陸の交通インフラの良さをアピールした国際観光・商業都市というあたりが妥当だろう。昨年末、日本のテレビでマラガにAVE(スペインの新幹線)が入るようになり、マドリーとの間が2時間半強に短縮されたというニュースを見たが、これだけ便利になると今後の観光都市化にますます拍車がかかるだろう。

[マラガ観光]
後半の宿があったトレモリーノスからマラガへは、近郊線の電車に乗れば20分強で簡単に行ける。最初に行った時は街の全体像が良くわからないので市内の見所スポットを巡っている一日乗り放題の観光バスに乗ってみた。

地下の駅(Málaga RENFE)で電車を降り新装なったピカピカの駅中ショッピング街を抜けると道路を挟んで反対側にちょっと旧式のバスターミナルがある。観光バス乗り場でしばし待っていると真っ赤な屋根なし二階建てバスがやってきた。風は少し冷たいが天気も良いのでオープンカー状態で展望抜群の二階席に上がってみた。既に何組か先客がいたがとにかく写真を撮るには都合がいい。(因みに、以下の写真は最初の一枚を除き、すべてバスから撮ったもの。)

バスはターミナルを出た後、アラメダ通り(Av.Alameda Principal)に入りグアダルメディナ川を渡って港沿いに向かう。港湾施設を右にして昔はさぞかしだっただろうと思わせる若干古めかしい街並みを眺めながら進む。


バスターミナルの観光バス乗り場。この赤い看板が目印。


アラメダ通りに出たところで見かけたスペインの有名デパート、エル コルテ イングレス(El Corte Inglés)マラガ店。


バスから港の構内を覗く。


マラガ港に面した”港町通り”(Av.Manuel Agustín Heredia)。ちょっと古めで落ち着いた感じの建物が続く。左側は港になる。(バスから振り返って撮影)


マリーナ広場(Plaza de la Marina)そばから市街方向を見るとカテドラル(Catedral)の左の塔が見えた。建設当時資金不足で右の塔は未完成のままだそう。

バスは”港町通り”から港に沿って広がるパセオ デル パルケ(Paseo del Parque)に入る。両側が公園になっていて植物園のようにバナナやヤシの木が生い茂っている。噴水がありベンチが並んでゆったりとした佇まいだ。


Paseo del Parqueを行く。両側が植物園風の公園になっていてこの辺りは多分この町が誇る最も美しい一帯だろう。右側公園の先は港になる。


進行方向左側のヤシの木の向うに見える丘はアルカサバ(Alcazaba)だ。古代ローマの要塞跡に11世紀イスラム勢力(モーロ人)によって築かれたという要塞。中にはイスラム式庭園や宮殿の一部もあって、ミニアルハンブラのようだと案内書にはある。

港町とは言っても臨港部に工業地帯が控えているわけでもないので全体として小奇麗でむしろ世界一周の大型豪華客船が似合いそうな雰囲気だ。港周辺を通り過ぎて灯台のある突端を回るとリゾートのような海岸(Playa de la Malagueta)が開けた。港に隣接した市街地にこんな美しい浜辺があるとは何ともうらやましい。日本ではまず考えられないことだ。


マラガ港の風景。小型客船(?)が停泊中。


進行方向正面に灯台が見えた。右側が港。


港の突端にある灯台を左に回ると突然リゾート風海岸(マラゲータ海岸)が現れたのにはびっくり。それにしてもこの景色を保つためには市民、行政の努力があるのだろうが・・・。

バスは闘牛場のそばを通って崖下を東に進む。緑がたっぷりの趣のある高級住宅街がしばらく続き、大型バスの交叉がちょっと難しい曲がりくねった狭い道を登っていく。かなり登ったあたりで緑の木々の間から真っ青な地中海が見えてきた。天気が良いので海も空も緑も点在する建物もくっきりと輝き、南スペインの開放的な景色を創りだしている。ほどなくして頂上にあるヒブラルファロ城(Castilla de Gibralfaro)に到着した。ここで降りれば素晴らしいマラガの町のパノラマを展望できることは知っていたが、そろそろ昼飯時だ、街に戻って昼食する方を優先すことにしてこのあたりの散策はアルカサバの見学とセットで次の楽しみに取っておくことにした。


ヒブラルファロ城がある丘の裾野あたりはこんな立派な邸宅がしばらく続く。


狭い曲がりくねった急坂を登ってきて丘のてっぺんにあるヒブラルファロ城に着く手前で見えた地中海。


ヒブラルファロ城を出てバスは下り始める。一瞬のシャッターチャンスに。


木立の向うにマラガ港が遠望できる所で運転手が気を利かせてくれたのか、一瞬停車してくれた。岬のように見える先端辺りがトレモリーノスになる。




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