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2.旅の準備(1)

去年の5月にパックツアーでスペインに行った。その顛末は既にこのブログで書いたが、次に行く時は忙しい物見湯山的ツアーじゃなく、十分に言葉が通じなくても一箇所に落ち着いてのんびり日常生活をしてみたい、勝手の違う非日常的な土地、環境下で異文化体験をしてみたいと思っていた。
何故スペインか、若干後付けになるが若い頃仕事の関連で南米の生活経験がありスペイン語に多少のなじみがあったこと、その流れで文化的背景としての本国スペインに一度は行ってみたいという想いがずっとあったということである。そして、行くなら気候の良さ、安全性からスペイン南部、地中海に面したコスタ・デル・ソルがいいと思っていた。

昨年のツアーを選んだのも旅程にコスタ・デル・ソルのマルベージャ(Marbella)での2泊が入っていて下見ができそうだったからで、自由行動日があったのでバスで1時間のフエンヒローラ(Fuengirola)という町に行ってみた。この町はあらかじめ滞在先の候補としてマークしていたところで、現地の雰囲気を肌で感じて戻ってきてからここでの滞在生活は我然現実的なことになった。                                                            


しかし、ツアーに頼らないとなれば、旅行・滞在プランを作り、宿や航空券の手配は自分でやらなければならない。普通なら旅行会社と相談しながら計画を固め手配してもらうことになるのだろうが、こちらの思いを通じさせるのも簡単そうではない。それならリタイアして時間はたっぷりあるのだから、独力でやってみるのもおもしろいかと思い、昨年秋以降、歯医者通いとか忘れているスペイン語を少しでも思い出させるとか、旅のための基盤整備を心がけた。そして本格的に準備を始めたのは年が明けてからだが、結果的にこの旅行前の計画を組み立てて手配をしていく過程自体が結構楽しめることがわかった。


旅の入口情報は、案内書やインターネットから容易に入手が可能だし、今どきのネットから得られる情報は膨大で、先人の旅行記や関連ホームページは数限りない。時間を厭わずにやさしいスペイン語や英語のページまで拡げれば際限がない。とにかく、これらの情報はきめ細かく臨場感があり、勝手に想像が膨らんでいくので本番の前に架空の旅をした気分にしてくれて楽しい。

準備に使った「コスタ・デル・ソル」関係の地図や案内書、大半を旅の友として携行していろいろな場面で世話になった。地図はスペイン政府観光局にメールでお願いし入手したもの。

 

旅なれた方々には笑止かもしれないが、今回の場合どんな検討をし、どんな手配をしたか書き留めておきたい。以下に項目ごとに整理してみたが、あくまでも一つの参考としてみて頂ければ幸いである。 

1)滞在のイメージ、行き先、旅行時期、期間等

2)健康状態の確認と海外旅行保険

3)宿泊先の選定と予約

4)航空券の選定と予約

5)現地での必要資金の所持方法

6)その他(連絡手段の確保、携行品、旅行前の情報収集、言葉の準備等)               

 

1)[旅のイメージ、どんな滞在にしたいか] 

固く言えば旅の目的だが、どんな滞在生活をしたいのかということだ。今回の場合、先に書いたように「非日常的な環境で日常生活をのんびり楽しむ」というスタイルを基本として行き先も決めていたが、改めて確認したのはコスタ・デル・ソルの治安や安全面である。

マドリーやバルセロナといった大都会とは違って、当地はスペイン南部の地方都市でのんびりしたリゾート地である。しかもヨーロパの年金生活者が多数移り住んでいるような土地柄で、夏のバカンス、冬の避寒時には周辺各国から短期滞在者がどっと押しかけてくる地であることは昨年のツアーでも確認している。


海岸沿いの延々と続く遊歩道をのんびり散歩しているのは中高年以上の人たちが主流で、高齢の老夫婦
や車椅子の人もめずらしくない。もし治安に不安があればこれほど観光客が来るはずもないし、地元にとっても観光立地上、安全面の確保は最優先事項のはずだ。従って、安全面に関してはこちらが余程不注意なことをしない限り問題にならないと考えた。とは言え、今の世の中、100%の安全などあり得ないのも事実でそれなりに腹を括っておく必要もあるだろう。

 


トレモリーノス(Torremolinos)のバホンディージョ ビーチ(Playa del Bajondillo)沿いの海岸道路で。歩いているのは年配者ばかり。

 

トレモリーノス駅前近くの繁華街で巡回するおまわりさん。大概2人一組(1人は女性警官)で街の警備にあたっている。結局、物騒な場面は一度も見かけなかった。

また、時期については、基本的に毎日が日曜日の身分なのでいつでも可能なのだが、気候とコストの兼ね合いを考えて決めた。即ち、年間325日が晴天と言われる温暖なコスタ・デル・ソルだが真夏はやはり暑いし真冬はそれなりに寒くなる。また、季節の変り目はぐずついた天候が続くようだ。

一方、コスト面、特に宿泊費は7月~8月を中心としたハイシーズンは極端に高くなり、安い時期の2~3倍になるのが普通で全体費用への影響はかなり大きい。この辺を踏まえ個人の都合も勘案して4月上中旬の出発にした。

期間は所謂ロングステイと言えるほどの長さではないが1ヶ月にした。

家を無人にする期間が1ヶ月を超えると管理や各種支払いなどの面でもっとキチン

と手を打っていく必要がある。

さらに、格安航空券は有効期限が1ヶ月以内というのが圧倒的に多いことも現実的な

理由である。なお、3ヶ月以内なら観光ビザで入国滞在は可能である。
                               

2)[旅の前提、体調管理と万が一の保険]

まず一番最初に考えたのは、1ヶ月の旅行に耐え得る健康状態を維持できる

かの見極めである。これは計画を進めるかどうかの大前提である。

60代も後半になってくると、体にガタがきているし”老人力”も無視できない。物忘れが原因で致命的な問題を起こさないか?眼が弱くなっていることが咄嗟の判断ミスにつながらないか?旅行途中で治療中の歯や持病の膝痛が悪化しないか?日頃服用している成人病薬などは持参するにしても、基本的に言葉が不自由な中で急性体調不良などの症状が出たらどうしよう?などという最悪の場面が頭をよぎる。一週間や10日間のツアーなら何とか帰国まで我慢するという選択もあるだろうが、1ヶ月となれば状況は違う。それにツアーの時のように添乗員がいるわけではないので何か事件が起っても周りに相談したり助けを求める先はない。

と言って、心配し過ぎてもキリはない。結局は出来る限りの事前準備をしたうえ

で、海外旅行保険に加入して最悪に備えることにした。実際に保険を適用したことがないので使い勝手は分からないが、加入した保険の説明書によれば、ケガ・病気の場合、日本語で24時間対応してくれる電話先があり、キャッシュレス治療の手配や病院などの紹介、予約などをしてくれるという。

歯科治療は早めに医者通いを始めたが、旅行前に治療を終えるのは無理とわかり

自業自得なので致し方ない。ただ、治療中の箇所は、1ヶ月間、仮歯でも何とか

ることだけは確認したが・・・。

 


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