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7.サラゴサ [15/9北スペイン]


 [バルセロナ→サラゴサ]

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スペイン北東部の地図。左上は大西洋(ビスケー湾)、右下は地中海。右下にバルセロナ、中央にサラゴサ、その北側にパンプローナがある。バルセロナからサラゴサへはおおよそ300km、さらにパンプローナへは150km強の距離。パンプローナはもうピレネー山脈に近い。



朝8時発のバスに乗るのは結構キツい。5時半に目覚ましをかけ無事起きれたものの外はまだ真っ暗。3泊したマンションを引き払うにあたって、忘れ物がないか冷蔵庫の中まで確認し、ゴミも分別して袋にまとめ、昨夜のうちに大方作っておいた荷物の最終パッキングをする。最後に忘れてならないのは預かっていたマンションの鍵を指定された居間のテーブルに置いて出ることだ。

これらのこと、特にゴミと鍵の件は入居契約書にサインする時に管理会社(?)のお兄さんから念を押されていたことで、そうしないと保証金の300€が戻ってこない。我々が出払った後に器物破損等の問題がないことを確認すればカード払いで返金される手筈になっている。

それはさておき、幸い北バスターミナルは宿から1ブロックしか離れていない。まだ完全に明け切らない日曜日の早朝、人影の殆どない歩道を荷物を引いてターミナルへ向かう。そばのレストランが開いていてボカディージョ(フランスパンにチーズとハムを挟んだサンド)とカフェ・コン・レーチェ(カフェオレ)だけの簡単な朝食で腹ごしらえを済ませる。

バルセロナにはこの「北ターミナル」のほかに「サンツ・バスターミナル」があるが、サンツは周辺国への国際線バスが主で、国内線は「北ターミナル」から出る。このターミナル、スペースはそこそこだが全体的に設備は旧態(?)でバロセロナには似つかわしくない感じもする。

今朝はこの町を出ていよいよこの旅のハイライト、スペイン北部に向かう。
まず途中サラゴサに寄ってエブロ河畔の古都を散策し、夜はパンプローナに泊まる予定だ。

すでにサラゴサまでのバス切符は到着した日に自販機で購入済み。勿論鉄道、特に新幹線(AVE)で行けば1時間半ちょっとだが、急ぐ旅でもなし、旅情とコスト優先で移動はバスの旅を選択している。

バスの出発は8:00だが、何番線から出るのか?電光掲示の案内板によれば、サラゴサ行きはないが8:00発のマドリード行きが21番線から出るとある。結局このバスはサラゴサを通るので途中下車すればよいということだ。

8時直前になってALSAのバスが入線、発車は定時だ。指定の座席は中ほど、乗車率は半分ぐらいか。



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かなり硬いハーフのフランスパンに生ハムとチーズが挟んである。朝飯はこれで十分。



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ターミナルに停車中のALSAのバス。ALSAはスペインで最大級のバス会社、全国を網羅している。



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出発後E-90号線を快走、小1時間して分岐の案内が出た。直進すればジェイダ(Lleida)、サラゴサを経由してマドリードに行き着く。左に分かれるとタラゴナ(Tarragona)に出て地中海沿いを南下しバレンシア(Valencia)に至る。E-90はバロセロナーマドリードを結ぶ主要幹線道路でそのほぼ中間にサラゴサの町がある。



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11時を回りそろそろサラゴサの町が近づいてきた。日曜日の午前中で渋滞もなく快調そのもの。



 
  [サラゴサを歩く]

走り出して3時間半、サラゴサには11時半に到着した。とても大きくて近代的なバスターミナルだ。2004年のAVE(スペインの新幹線)開通時、その駅と併設されたからだろう。

ところで、サラゴサ(Zaragoza)は人口70万弱のスペイン第5の都市。町の歴史は古く紀元前のローマ時代まで遡り、その後いろいろな民族が出入りするが、1118年にアラゴン王国の首都になるまで約400年間はイスラムにも支配されている。

東のバルセロナ、西のマドリード、北のビルバオ、フランス南部のトゥールーズなどの近隣主要都市にそれぞれ300kmほどの距離にあり交通の要衝でもある。

夕方にはまたこのターミナルに戻ってきてパンプローナへ行かなきゃならないので荷物はデポしておきたいところ。少し手間取ったが何とかトランクをコインロッカーに収め、タクシーで街の中心部に向かう。
行先は案内書で目星を付けていたスペイン広場(Plaza de España)だが歩くにはちょっと遠い。

途中タクシーから見る街並みはスッキリとしていて清潔な印象の町だ。日曜日の昼過ぎということで人も車も少ないせいもあるのだろうか。12時は回っているがスペインの昼食時間にはまだ少し早い。でも朝が軽かったのでレストランを探しながら散策する。

ちょうどスペイン広場に面して店先にテーブルを出しているテラス式の店があった。テーブル席の先には日替わり定食(Menú del día)のメニューが書かれた看板を出している。値段も普通、のどかな雰囲気も気にいって入店。

快晴の日曜日の昼下がり、ランチを楽しむ地元の人たちを眺めながら食した料理は定食といってもなかなかのもの。この値段でこの味なら何も言うことはない。スペインは北に行くと料理が旨くなると言われているが早速ここサラゴサでそれを実感した。


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とにかく大きいサラゴサ駅。バスセンターとRENFE(スペイン国鉄)の駅が一緒になっている。




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駅の構内はRENFEのホームが大半のスペースを占めている。(Wikipedia:Estación de Zaragozaから)




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勿論、バスのホームもズラリと並んでいる。(Wikipedia:Puente de Piedraから)





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バスの待合室もスペースはたっぷり。




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スペイン広場のあたり。日曜日で車も少なくのんびりしたもの。




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整然とした大通り、スッキリしてます。




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スペイン広場にある噴水を背に憩う地元の人達。



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レストランで座った席から広場の一角を眺める。




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日替わり定食を説明する立て看板。週替わりのお薦めメニューが書かれている。
前菜の一皿目、メインの二皿目をリストから選択、飲み物はワインかビール、それにコーヒーが付いて11.5 €(約1,500円)は悪くない。




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上の3枚は注文した日替わり定食。上は前菜としてメニューにあったカルボナーラを選択、大当たりだった。飲み物は白ワイン。真ん中はメインで確か立看板にあった「干しダラのリオハ風」(Bacalao a la Riojana)を頼んだ、トマトソースのやさしい味付けで美味。下は食後のカフェ。総じて味はまろやかで日本人の舌にもピッタリだった。勿論パンが別途付いている。



 [ピラール聖母聖堂]

レストランを出て大よそ15分、歩行者天国のアルフォンソ通り(calle Alfonso)を行くとピラール広場に出た。正面にどっしり構えているのがピラール聖母聖堂(Basilica de Nuestra Señora de Pilar)だ。
この聖堂はサラゴサのシンボルであると同時に、サンティアゴ・デ・コンポステーラの大聖堂と並んでスペインで最も重要な宗教建築の一つとされている。

バロックの至宝と言われるこの大聖堂の内部には聖母ピラール礼拝堂があり、スペインの守護聖母ピラール像が祀られていて全国の聖母信仰の中心地になっている。

ピラール広場は横長でとても広大、日曜日の昼下がりとあって地元の家族連れの姿が長閑で平和な雰囲気を作りだしている。門外漢ながらミサが行われていた大聖堂の内部も覗いてみたが、残念ながらその有難み(?)はピンとこない。

ところで、広場裏側のエブロ川に架かるピエドラ橋から見る大聖堂の景観は見逃せないという。夕方のバスを考えるとあまり時間はないが、広場を抜けて聖堂裏側のエブロ(Ebro)川沿いに出てみる。

この川、地中海に注ぐスペイン第二の河川だが、少し下流側にピエドラ橋(Puente de Piedra、まさしく石の橋の意)がある。ローマ時代から橋は架けられていて現在の石橋は15世紀に架け直されたものだ。

橋のちょうど中央部に歩道が少し出っ張ったテラス風の個所があり、ここから望むピラール聖母聖堂は確かに素晴らしい。多分ここは絶景撮影ポイントの一つになっているのは間違いない。快晴の下で絵はがきのような一枚が撮れた。

そろそろバスの時間が気になってきて街に戻ることに。スペイン広場近くまできてバスターミナル行きのバスを探してみるがいまいちはっきりしない。流しのタクシーも簡単に捉まらず、結局タクシー乗り場が見つかって何とかターミナルに戻った。

パンプローナ行きは17:30発、順調に行けば2時間少しだからまだ明るいうちに着くはずだ。



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スペイン広場のレストランからピラール聖母聖堂に向かうにはアルフォンソ通り(calle Alfonso)を行くのが正解のようだ。



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歩行者天国のアルフォンソ通りをブラブラ行く。



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アルフォンソ通りの途中に「SAKURA」という日本食レストランらしき店が。




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近づいてみると、ビュッヘスタイルのようで西・英・中・日・韓の5か国語で簡単に料理を説明しているが、やっぱり日本語は少し怪しい。




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アルフォンソ通りはそろそろ終点、正面にピラール聖母聖堂が迫ってきた。




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ピラール広場に出るとドーンとピラール聖母聖堂が出現、その存在感に圧倒される。




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広々としたピラール広場、遠くに「ラ セオ」(サン・サルバドール大聖堂)の尖塔が見える。



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ピラール広場でのんびり寛ぐ地元のファミリー。



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ピラール広場で左に聖母教会を見て進むと突き当りに「ラ セオ」(La Seo)がある。正式にはサン・サルバドール大聖堂だが、習慣的にアラゴンの言葉でカテドラルを意味するラ セオと呼ばれているらしい。見かけはアラブ風に見えるのはムデハル様式(イスラム文化とキリスト教文化が融合した様式)で建設されているからだろう。


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正面に「ラ セオ」のミナレット(モスクに付属する尖塔)のような高い塔が近づいてきた。



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ピラール聖母聖堂の裏側に出るとエブロ川の河畔に出る。ちょっと分かりずらいが、ライオン像が乗った石柱が左に延びるピエドラ橋の起点になっている。



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ピエドラ橋を渡り始めた所でピラール聖母聖堂を望む。右はエブロ川、いつもはどうなのか?水は濁っていた。



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ほぼ橋の中間地点から撮った一枚。恐らくこの位置、角度から撮るピラール聖母聖堂がベストショットのようだ。ライトアップされた夜景も素晴らしいらしい。



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エブロ川にかかるピエドラ橋。ローマ時代からこの場所にかかっているが現在のものは15世紀前半に建設されたもの。(Wikipedia:Puente de Piedraから)



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夕暮れのエブロ川とピラール聖母教会。(Wikipedia:Basilica de Pilarから)



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ライトアップされたエブロ川とピラール聖母教会そして手前にピエドラ橋。(Wikipedia:Basilica de Pilarから)


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